あなたは全米オープン派?マスターズ派?
今回の全米オープンの舞台となった、「チェンバーズベイ(ワシントン州)」は、何かと物議を醸し出したコースでした。
全米オープンの開催コースは大会の5年以上前から定められ、コース設定を調整していきます。
優勝スコアをイーブンパーと想定しコースを作っており、「忍耐」という二文字そのものの大会だと思います。
一方、マスターズは、神秘的で華麗なコースを舞台に、プレイヤーの技術と背景の美しさで観戦者を魅了させる大会だと思います。
みなさまは、どちらを好まれますか?
判断は、分かれるものと思いますが、相対するものが存在するから見るものを楽しませてくれるのであって、各コースの特性がゴルフ本来の醍醐味なのかもしれませんね。
さて、「チェンバーズベイ」のことを少しご案内させていただきます。
このゴルフ場は、1890年代から採掘が始まった砂と砂利の採取場跡地です。
シアトルの摩天楼を造成する資材の9割が同採取場から調達されたそうで、持ち去られた資材は、殆どが砂利で良質な砂が残ったこともあり、ゴルフ場開発へと展開したひとつの要因のようです。採掘は2001年まで続き、2003年に当地、ピアース郡が再開発構想としてゴルフコースの設計と造成を入札にかけ、翌年にロバート・トレント・ジョーンズ事務所が落札し開発が始まりました。
ピアース郡のランデンバーグ長官は最初から全米オープン招致を目標として、全英オープン的なレイアウトを依頼したようです。
そこで出来上がったのが、ご存知の、粗野で手入れのされていないような罠が張り巡らされたコースになりました。
全てフェスキュー芝(細く長い洋芝)で仕上げ、硬くコンパクションが高く、例えば、ピンから遠いところを狙わせて、最終的にピンの近くに止まるようなショットが要求される設計になっているそうです。芝の色よりも球がよく弾むことに注視しているそうです。(テレビ写りは荒野を彷彿させるものでした)
ゴルフ場がオープンして8年で全米オープン。この早さの裏には、15年の大会に立候補していたウイングフットGCとシネコックヒルズGCが同時に取り下げしたことと、郡有コースだけに発表が契約と同時に行われたことも幸いしたそうです。契約後に景気後退の波があり、契約が遅れていたら招致は消えていたかもしれません。関係者によるとUSGAの資金力にて前貸しした基金がコースを助けたとも言われております。(非常に幸運なコースです)
色んなドラマが、最高の舞台を作りました。
当倶楽部も過去に多くの紆余曲折がありました。何とか、最高の舞台づくりに、これからも高い志しと夢を持って取り組んでいきたいと思います。