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<芝の状況①>暑さによるダメージ

今年の異常な気象状況(高温多湿)によりコースの整備が追い付かず、みなさまに適正なプレー環境をご提供できておりませんことを深くお詫び申し上げます。
今年の暑さは150年の歴史において初めて経験するものであります。道内の連続真夏日が44日と過去最高記録(1994年30日間)を打ち立て、これによる芝のダメージは広範囲に渡っております。
7月初旬のトーナメント時には状態がすこぶる良好で、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)からも高い評価をいただいておりました。その後、芝には過酷な猛暑が続き、大会後のラフの刈り下げ、刈り込みによるストレス、高温多湿による病害発生も影響し、枯れ死する部分がどんどん広がっていきました。
私どものコースの芝種はグリーンがベントグラス(洋芝、寒冷暖地芝)、ティ、フェアウェイ、ラフがライグラスとブルーグラス(寒冷地芝)であり、寒さには強いのですが暑さには弱い種類であります。限界点ともいえる温度は、地温が22度、最低気温が25度を超えますと深刻なストレスを与えると言われております。日中の温度が40度を超えても耐えれるのですが、特に問題を惹き起こすのは最低気温であります。(地温については夜間散水により、ある程度調整は可能)
今夏の札幌の気温を見ますと、最高気温の30度超えは7月から8月にかけてほぼ毎日でありました。肝心の最低気温については、25度を超える日が昨年まで1日あるか無しでした。ところが今年は危険水準を超える日数が15日もあり枯れ死を招いた大きな要因となっております。
また、芝と共生する「スズメのカタビラ」が暑さに弱く、高温になりますと溶けてなくなり、その部分が穴凹状態で地肌を見せております。カタビラは地面に多くの種を落としており、環境が良くなれば一気に復活します。コース管理としましては長年に渡りカタビラをなくす努力をしておりますが蘇生力が強くなかなか退治できておりません。
過去に経験をしたことのない暑さに対応ができずこのような結果を招きました。今後は、暑さに強い芝への転換も必要かと思っております。また、芝の生育環境をより良くするため土壌改良も検討しております。スプリンクラー等の散水設備も更に高めていく必要があります。
来年に向け新たな取り組みを進めておりますので見守っていただきますよう宜しくお願いもうしあげます。


<カタビラが混在したラフ>

<カタビラの白い穂>

<カタビラが猛暑で解け地肌を露出>